平成30年度の最後となる日米相互特技訓練が2月12日〜2月19日の間、防府北基地において、米空軍第374空輸航空団の最上級曹長チーフ・ヤング以下9名(訓練者5名)を受け入れて実施されました。大きな成果を得て訓練を終えることが出来たようです。
 第12飛行教育団准曹士先任 石本准空尉から訓練所感を寄稿いただきましたので紹介します。(福永理事)


            
 「日米相互特技訓練参加所感」
                          第12飛行教育団准曹士先任
                          准空尉 石本 力

 航空教育集団隷下の第12飛行教育団(以下「12教団」とする。)は、2月12日から19日まで、防府北基地で「日米相互特技訓練(BEP)」を実施しました。
 防府北基地における本訓練の受入れは12教団司令(浜1佐)指導のもと、対番隊員、地上教育班員、英語教官及び、12教団全隊員で対応しました。12教団では初めての受入れとなるため、すべてにおいて手探り状態ではあったものの、12教団の強みであるチームワークで受入れ準備を整え訓練当日を迎えました。
 訓練初日は、本部庁舎前にて各群、所在部隊及び連合准曹会(北志会)の旗を振り、出迎えを実施しました。在日米空軍訓練参加者は予想以上の歓迎に少しびっくり(苦笑い)していました。今回の訓練は、在日米空軍第374空輸航空団の最上級曹長チーフ・ヤング以下9名(訓練者5名)での来基で、防府北基地は初めてということもあり、ヤング最上級曹長は、いろいろな意味での成果を期待していると私に言ってくれました。その後の12教団司令の表敬では懇談、記念品の交換を行いました。
 その夜行われたアイスブレーカーでは両者緊張しているのかと思いきや、なんのなんの初めからエンジン全開??対番者のコミュニケーション能力の高いこと、始まる前から飲んでたのかなと思うほど各テーブルから笑い声が絶えない状態でした。私は、この段階で訓練の成功を確信しました。
 2日目は、訓練概要説明の後、日米双方の隊員による自己紹介(もちろん英語)を実施しました。この訓練を迎えるに当たり英語能力に関する本人の資質及び努力はもちろんのこと英語教官の適切な支援があったことがとても大きなレベルアップにつながりました。部隊施設見学においては、所在部隊である防府管制隊及び防府気象隊、また、陸上自衛隊第13飛行隊の支援を得て、基地の隅々まで案内をすることができました。
  3日目〜4日目、今日からが相互特技訓練の本番、それぞれの特技(飛行管理、航空機整備、電気、衛生、警備)において計画した訓練や他特技との合同で行う訓練等、いろいろ工夫をしていました。訓練の中で同じ特技ではあるものの日米の業務要領や考え方の違いを話し合い、それぞれの見識を大きく拡げることができました。また、休憩時間では食べ物や交友関係などの話をし、プライベート面でもお互いを理解することができました。
 5日目は、山口県内の名所、史跡等の研修を実施しました。国内最大級の鍾乳洞「秋芳洞」や国宝である「瑠璃光寺五重塔」、そして日本三大天満宮の一つ「防府天満宮」を訪れ、郷土の歴史、文化に対する理解を深めていました。
 6日目は、対番隊員と共に宮島の厳島神社を観光したり、J2「レノファ山口」のサッカー観戦に行ったりし、余暇を満喫しながら親睦を深めていました。
 7日目は、訓練最終日とあって各職場で時間いっぱいまで情報交換を行っていました。午後からは、日米決戦防府カップ(バレーボール)大会を実施、僅差ではあったもののUSエアフォースに軍配が上がりました。夜は防府南基地の隊員クラブでフェアウェル・パーティーを行いました。私のつたない英語での挨拶で始まり、日米代表者による今回の訓練における感想を発表、続いてのギフト交換を行いそれぞれの思いを時間の許す限り伝えていました。
 8日目、お別れの日、天候はみんなの気持ちを察してか大雨、一週間の訓練であったもののとても濃密な時間を過ごしたパートナー同士いつまでも別れを惜しんでいました。
 在日米空軍訓練参加者及び対番隊員、それぞれの表情を見て改めて今回の訓練が各人にもたらした大きな成果を見て取ることができました。
 最後に、この日米相互特技訓練を支援して頂いている日米エアフォース友好協会の皆様には心より感謝を申し上げるとともに会員皆様の益々のご健勝を祈念致します。また、あわせてこの訓練が大成功のうちに無事終了したことを報告いたします。(了)

 

平成30年度日米相互特技訓練(防府北基地)